地域福祉における有給無給の差別を埋めるには

課題

「地域生活支援」を行うソーシャルワーカーに求められる役割をまとめたうえで、専門職として、今後につながる 自分自身の課題をできるだけ具体的に述べなさい。

例文

日本では少子高齢化が進む中、社会や地域、人々の意識が変化しており、高齢単身世帯や高齢夫婦のみの世帯増加、生活困窮者の増加、個人や世帯の孤立化など、これまでは家族によって支えられてきた課題の支え手がない状況になり、これからはそれらを地域社会で支える必要が出てきたといえる。このような状況から、既存の制度では対応困難な課題が顕在化している。例えば家族資源の無い高齢独居、かつ、障害等による意思疎通困難の人、例えばホームレス状態の人、例えば保険証の提示が出来ず病院窓口で困窮する高校生くらいの人、老若男女を問わず移動に困難を抱える人、この人達の権利擁護に際して、現状ではワンストップで包括的・具体的な支援は無いように思う。
こういった、制度が対象としていない生活課題への対応、複合的な課題を抱える世帯への対応、外部からは見えづらい個人や世帯が内在的に抱えている課題への対応など、ニーズの多様化・複雑化に伴って対応が困難となるケースや、社会保障分野だけでなく、教育分野や司法分野などの多様な分野においても対応が必要な課題に対して、地域の支え合いは不可欠と考えられ、それを支援・協働するのが、ソーシャルワーカーを担う社会福祉士の一つの役割といえる。
私は、直接あるいは委託を受けた公的な支援機関には属さないが、自身の生活の現場にて、自身が、地域の人が、様々な困難を抱えていることを実感している。そして、いわゆる専門職と呼ばれる人達は、給与を得た上での支援であり、一見、無償奉仕のように見える地域住民の立場からすれば、地域共生社会と並ぶ「地域福祉」という考えに、現段階における納得は難しいと感じている。
私が社会福祉士となり、又、実力を伴う段階へ至り、何らかの支援への従事が叶うなら、地域生活支援事業でいうならば「理解促進研修・啓発事業」「移動支援事業」を主軸に希望したい。地域共生社会の実現には、地域住民の相互理解が必要だと考えるが、それには(この区別の是非は置いて)障害・健常を問わず、双方への理解啓発は必須だと感じるからである。移動支援に関しては、制度外の付添事業を今現在も提供している。
そして、専門職として今後に繋がる自分自身の課題として、一つは自己覚知と他者理解を挙げる。従来の私はフォーマル支援の側に属する事が出来ず、従ってそれを非難の対象としてきたが、今は各現場に従事する人達の苦労を知るに至り、その人達を尊重するようになった。又、現場の相談業務においても、被支援者は様々な存在であるのを痛感している。もう一つは自分自身の従来の経験を活かした、専門職と地域(住民)との、より良い協働のあり方を探る事を挙げる。もし自身が専門職という立場になったなら、専門職側の論理だけでなく、地域(住民)側からの論理を知る私が、その役割を果たせてこそ地域共生社会構築の役に立てると考えるからだ。

参考文献
ソーシャルワーク専門職である社会福祉士に求められる役割等について
社会保障審議会福祉部会 福祉人材確保専門委員会 平成 30 年
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/
0000199560.pdf
地域生活支援事業 WAMNET 掲載年度不明
https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/syogai/handbook/service/c078-p02-02-Shogai-30.html