扶養義務の優先の問題と課題

[ 設問 ]
生活保護法第4条における「補足性の原理」の扶養義務の優先の問題・課題についてまとめなさい。

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[ 解答例 ]
 扶養義務の優先の問題として、一方で、利用当事者の側から見た場合の一例として、現状では権利性が弱く市民の理解も進んでいない制度であるから、扶養照会に始まる一連のシステムは、迷惑を掛けたくない・恥をかきたくない等のある種スティグマを生む可能性がある。また一方で、扶養義務者側から見た一例として、突如として扶養照会なる文書が役所から届き、世帯構成や資産収入状況などの開示を要求され、当事者とは違う角度のある種スティグマを抱える可能性がある。結果として、双方から受給抑制の可能性が出る。もう一方で、これらから、当事者と扶養義務者に不要な軋轢を生む可能性もある。
 又、DVに代表されるように照会により、知られたくない者へ居所や状況が伝わってしまい、身辺の危険性を生む事や、表面上は良好な親子関係に見えても、実は違う場合(親が扶養を承諾し、子はそれを恐れる)、却って当事者の自立を削ぐ可能性が出たりもする。
 これは、個人化の進む中で、生活保護制度が現状にそぐわない家族主義的な側面を持続させているのが原因と考える事も出来るだろう。
 そしてその課題として、一つは、扶養義務が保護受給の要件であるとの誤解を与える運用を正すという角度。一つは、生活保護法と場合によっては民法を、現状に合わせたものに改正するという角度。一つは、生活保護制度の正しい知識を市民に啓発するという角度などを、並行して進める事などが挙げられる。

我がごと丸ごと地域共生社会と自己責任論

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[ 設問 ]
孤立や排除のない地域社会を築いていくためには何が必要か、具体的な方策を挙げながら述べなさい。


[ 回答例 ]
 孤立や排除のない地域社会を築くために、ソーシャルサポートネットワークの構築、並行して、福祉教育の推進などが一例として挙げられる。
 ソーシャルサポートネットワーク構築の具体的な方策としては、従来の縦割り的な福祉政策を見直し、横断的な地域トータルケアシステムの推進と、そこへ更に当事者・地域住民も参加する包摂的な地域ケアシステムを目指す為に、これまで高齢者、障害者、貧困者、児童等の層別に対応していた支援から、全層のカバーで相互作用する支援を目指す。又、 地域の状況、個人の状況、地域の社会資源等をアセスメントし繋ぎを進める事、社会資源の育成、住民座談会等を通じた住民同士の問題共有を図る為、専門職と地域が協働する。これらのまとめ役を担うものとして、社協等に設置される CSW や、地域単位の支援コーディネーターを設置する。そしてその主体は地域住民や当事者である。
 福祉教育推進の具体的な方策としては、孤立・排除される人達の置かれる状況を理解し、偏見差別を除去していく。その為には、貧困的な福祉観を生む従来の疑似体験型の福祉教育から、人間理解の福祉教育へ転換する。一例として、身体障害者が抱える社会的不利や環境要因への気付きを促すために、その人達と交流を継続し人間関係を結ぶ等がある。あくまで一例に過ぎないが、ここから自己責任論に始まる偏見差別も払拭されていき、我がごと丸ごとの地域共生社会へと繋げる事になる。