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人権が人権を奪う

今のDV法はまことにシッカリ作られていて、行政とか警察とか、いわゆる権力が密接に連携していて、被害者の保護がワンストップです。
これ自体は悪い話でないと考えます。被害に苦しんでる人を即時救済するのです。素晴らしいじゃない。

視点を変えて、
これが加害者(とされた)側にすれば、トンデモナイ法律に見えます。

身ぐるみ剥がされて、住居から何から全てを奪われて、あとは知らん。そのような状態に置かれます。

加害者側の人権、こういうと、すぐ巨悪殺人事件の被害者感情を考慮せよ、などの御意見が出るでしょう。そんなことは承知の合点です。誰も巨悪を容認してませんし、また、DVが微罪だとも考えてません。

DV加害者(とされた)人を見た事あります?
やせ細って、目の下には熊、過呼吸が出て、ヒステリックに爆発寸前です。爆風は外にも内にも向かいます。外へ向かえば無関係な人が困る。内に向かえば当人の命を失う可能性。

話は両方から伺わないと真実は見えて来ない。ついこないだも某福祉事務所と話して、なるほど納得な結末に至りました。当事者さんの話だけでは不足するのです。

故に、私は加害者(とされる)側しか話を聞いてないので、本当のところは分かりません。けれども加害者(とされる)人は、想像を絶する苦しみにモガイテおられます。

「連中は洗脳されているのだ。」
そのとおりかも知れません。救済したのに帰っちゃって、またDV地獄に戻る人が、後を絶たないのです。それだけ被害側も型にハメられて苦しんだのです。それらを癒やすため安心安全な心身回復、自己決定の構築などのケアを受けるからです。そして、辛い過去には戻らない確固たる人と成るのです。
このように加害者(確定の)人の前述意見には回答できます。

しかし、
「私は国家権力によって人権を侵害されている」
この言葉には返す言葉がありません。たとえ加害側だとしても、生活の基盤を奪って放置する一方的な強権、これが人権の現実なのか。そう感じるのです。

むろん私の勉強不足もあるでしょう。各界からご指導賜わりますれば幸いです。