東京のOさんへ

こないだはお電話有難う御座いました。

貴方様のお話を私が良く理解できる事由を2点に絞ってお話します。

もう30年くらい前(歳バレますイヤだなぁ…)、私の趣味は自動車バイクでした。
車高短で峠道を走っててスリップダウン、田んぼに落ちて車は引っくり返りました。
ロールバーと4点シートベルトを組んでいたので幸い命に別状ありません。

知り合い(これも親の無い独力生活者)の造園屋のトラックで事故車を引き上げた後、被害者である田んぼの持ち主に菓子折りと示談金数十万円を持って挨拶に伺いました。

その際、被害者である年配夫婦は開口一番「親は? 世話になっとる親に頼んで賠償したら?」と言いました。我々の世代でも、「20代は親の世話になってる」との常識なのでしょう。これが世間です。

月日は流れて30代の頃、滋賀県彦根市の某巨大企業に派遣社員(派遣元も契約社員)SEとしてお世話になっていたのですが、わけあって退職。
Oさんならお分かりでしょう? このような場合、大抵の人は親元に帰ります。私には帰る所がありません。僅かな貯金が尽きる迄に次の仕事にありつかないとなりません。

それなりの技術屋でしたから、ランクを下げれば(失礼)いくらでも就職先はありました。しかし待遇を維持するのは難しい。
私は面接で社長に言ったんです「ご提示いただいた額では暮らしていけない。あと少しだけで結構ですから色を付けて頂けませんか」と。
社長いわく、「親が居るやろ? 君の稼ぎは小遣いやろ?」と。
地方に行けば行くほど、いい歳こいてる者でも親が面倒見る、が常識のようです。

この土地では周りの友人の「全て」が、車を買って貰ったとか、家を買って貰ったとか、驚愕の社会でした。そしてそれが普通なんです。

私はイヤになって大阪に戻ってきました。戻ってきても色々ありまして、いま、ドン底です。そこから這い上がる為に、ひとりネットを起動しました。

難しい言葉を使えば、社会資源とか家庭資源とか云いますし、湯浅まこと氏流に云えば「ため」を持たない者は、一瞬、気を抜けば、生活は急降下です。

Oさんは、気を抜かないで踏ん張ってきた。だから今は何とかやれてる。
けれど心身を休めたい時もあるでしょう。休めてしまった私は必定のドン底を這ってます。

いつか気を抜ける時が来る。一緒に考えましょうよ。

Oさん、今まで辛かったですね。これからも辛いね。だけど頑張って。

連帯のメッセージ。