生活保護率18倍は自己責任ですか?

私の世代では中卒の人が結構居ました。そして今では殆どの人が社会的に成功しています。努力されたのでしょう。
ただし聞いてみると、たいていの場合は初期投資(なぜか500万が多い)を親から与えられて、今の成功を収めています。
他人に言えない努力を重ねて来られた結果でしょう。そう努力が実った。

なるほど。それなら、その努力をしたくても、努力できる環境さえ与えられなかった人は?

ミネルヴァ書房「こども家庭福祉 第2版(日本社会事業大学・通信教育部・ 社会福祉主事養成コースの2学期教科書としても使われています)」に以下の一節があり、要約します。

社会的養護を必要とする子どもたちは、おおむね18才から措置のもとを離れる。
一般的にこの年齢では、生活・経済両面で保護者のもとにある事が多く、家族支援を得られない人達は、身辺的・経済的自立において困難な状況に置かれやすい。
経済自立面では、社会的養護を巣立った若い人の生活保護受給率が、約18倍になっており、社会的に困難が集積している状態である。
周囲の若者たちとの生活の違いが不遇感や孤立感を生み、精神的葛藤を抱えることも多い。

この書籍が伝えようとしている事から若干外れますが、経済協力開発機構(OECD)2018年9月11日による、「図表でみる教育」によると国内総生産(GDP)のうち小学校から大学までの教育機関に対する公的支出の割合は、日本が最下位だそうです。

機会の平等を与えない。その上で生保に転落した人に、普通に親の存在があれば獲得できたであろう、たかだが数百万でさえ所有を許さない。つまるところ、やり直しの効くようなシステム自体が無いのです。

これは、この人の自己責任でしょうか。

ギリギリで踏ん張ってるワーキングプアな人、生保受給中の人、それ、あなたの自己責任ですか。

Imagine - John Lennon
Imagine – John Lennon